褥瘡の食事療法について知りたい人向け。
当記事では、褥瘡の食事療法を勉強しようと思っている人に向けて褥瘡の食事療法とは何かを説明しているので、褥瘡の食事療法を勉強したい人や興味のある人はぜひご覧ください。
褥瘡とは
まずはじめに褥瘡について少しだけ説明します。
褥瘡とは体の接触表面から受ける圧迫により組織の末梢血管が閉塞して壊死を起こす病態です。褥瘡になる原因は皮膚の汚染や摩擦やすれによる外因子と低栄養や貧血、脱水などによる内因子に分けられます。褥瘡の好発部位は仙骨部や腫部、大転子部などが挙げられます。褥瘡発生の予測スケールはブレーデンスケール、重症度はDESIGN-Rによって評価します。褥瘡の治療の1つに食事療法があります。
褥瘡の食事療法
褥瘡の食事療法は個人によって異なる対応をとることが多いですが、ここでは基本の食事療法を説明します。
エネルギー
褥瘡の食事療法では十分なエネルギーを摂取する必要があります。十分なエネルギー量の算出方法は2つあります。
1つ目はHarris-Benedictの式によって求めた基礎代謝量に身体活動係数とストレス係数をかけて必要エネルギー量を出す方法です。
2つ目は目標体重に35kcal/kg/日をかける方法です。
褥瘡患者は低栄養の人が大半のため、十分なエネルギー摂取が求められます。
しかし、肥満により体圧が高くなり褥瘡になっている場合もあるため、その場合は摂取エネルギー量を控えて体重を減らす必要があります。
たんぱく質
褥瘡の食事療養では、たんぱく質も十分に摂取を行う必要があり、1.5g/kg/日程度摂取する必要があります。
たんぱく質は傷口を治す材料となるからです。
ミネラル ビタミン
褥瘡の食事療法では、褥瘡治癒促進のために積極的な摂取が望ましいビタミンとミネラルは、ビタミンA、ビタミンC、鉄、銅、亜鉛、アスコルビン酸等です。
これらは、コラーゲン合成や皮膚の強化に関わる役割があるため、傷口が深い場合などには十分な摂取が必要になります。
ビタミンミネラルは不足しがちな栄養そのため、不足には気を付けましょう。
水分
褥瘡の食事療法では、滲出液が出ている場合1g/kcal/日程度の水分を摂取する必要があります。滲出液として水分が失われることで脱水になるリスクがあるためです。
しかし、水分をとれるだけとればいいというわけではなく、浮腫は褥瘡の内的要因になるため水分の摂取には気をつけましょう。
まとめ
褥瘡の食事療法では
・エネルギー量
・たんぱく質量
・ビタミンミネラルの摂取
・水分の量
に気を付ける必要があります。
褥瘡の重症度によって食事療法がことなるため、基礎をきちんと押さえて個人に合った食事療法を行えるようにしましょう。
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