【管理栄養士が解説】肝硬変の食事療法ってカンタン!?

【管理栄養士が解説】 肝硬変の食事療法ってカンタン!?

肝硬変の食事療法について知りたい人向け。

当記事では、肝硬変の食事療法を勉強しようと思っている人に向けて肝硬変の食事療法とは何かを説明しているので、肝硬変の食事療法を勉強したい人や興味のある人はぜひご覧ください。

肝硬変とは

まずはじめに肝硬変について少しだけ説明します。

肝硬変とは、あらゆる肝臓病の終末であり、最終的には肝不全に至る肝機能が低下している病気です。肝硬変の原因としてはウイルス性肝炎によるものが多いですが、アルコール性肝炎による場合もあります。また、症状の出る肝硬変代償期と症状の出ない肝硬変非代償期に分けることができます。

肝硬変の食事療法

肝硬変の食事療法は代償期と非代償期によって変わります。

肝硬変代償期

まずは代償期の食事療法についてです。代償期は症状も出ないことから、非代償期と比較して厳しい食事制限は必要ありません。

肝硬変非代償期

次に非代償期の食事療法についてです。非代償期は肝臓の機能が著しく低下しているため厳しい食事制限を行う必要があります。

たんぱく質

たんぱく質を代謝したときに生じるアンモニアは肝臓で処理されるのですが、肝機能が低下している状態でたんぱく質をたくさん摂取すると、アンモニアが体内に蓄積してしまいます。そのため、アンモニアの検査値が高くなり合併症である肝性脳症を引き起こすリスクが高まります。そのため1.0g/kg/日程度に抑えましょう。

また、分岐鎖アミノ酸を意識して摂取するようにしましょう。非代償期では肝機能が低下しているため、肝臓で代謝される芳香族アミノ酸が代謝されず、筋肉で代謝できる分岐鎖アミノ酸がたくさん代謝されます。それにより芳香族アミノ酸と分岐鎖アミノ酸のバランスを示すフィッシャー比が低下してしまうからです。

食物繊維

肝硬変非代償期の食事療法では食物繊維をたくさん摂取するようにしましょう。体内に便が溜まっているとアンモニアが発生してしまうため、排便を促す作用のある食物繊維を摂取する必要があります。

肝硬変非代償期の食事療法では鉄の過剰摂取には注意しましょう。本来、鉄は貧血予防のために摂取が進められます。しかし、鉄の過剰摂取は肝臓での鉄の過剰蓄積などを招き、肝臓への負担が増えるため、7mg/日以下の適度な鉄の摂取を行いましょう。鉄の過剰摂取は普通の食事のみの場合では過剰摂取は考えにくいですが、健康食品やサプリメントをとっている場合に多く見られるため、摂取している場合は鉄の含有量を確認しましょう。

食塩

肝硬変非代償期の食事療法では食塩の過剰摂取には注意しましょう。食塩の過剰摂取は腹水や浮腫の原因になります。そのため、5~7g/日程度の制限を行いましょう。

LES食

肝硬変の食事療法では、LES食(Late Evening Snack)を用いる場合もあります。LES食とは炭水化物を中心とした200kcal程度の軽食のことをいいます。肝機能が低下している場合、早朝の低血糖を招く恐れがあるため就寝前に食べて、早朝の低血糖を防ぎます。

まとめ

肝硬変の代償期では厳しい食事制限はありません。

肝硬変非代償期の食事療法では

たんぱく質の過剰摂取を防ぎながら、内容を考える

食物繊維の摂取

鉄の過剰摂取を避ける

LES食

に気をつけましょう。

肝硬変は正しい食事療法を行わなければ悪化してしまうので正しい食事療法を行い、肝臓への負担を軽減して悪化を防ぎましょう。

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